オークランド周辺には、ブドウ園の広がるワイヘキ島や歴史あるクメウ地区など、中心街から気軽にアクセスできるワインの産地がいくつかあります。
地理的な多様性に恵まれたオークランドには代表的なワインの産地が3つあり、ワイナリーの数は合計でおよそ100軒に上ります。肥沃な火山性土壌で芳醇なブドウがよく育ち、味わい深いメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、そしてスムーズでフルーティーなシャルドネ、ピノ・グリなどが生まれています。
中心街からフェリーですぐに行ける場所にあるワイへキ島は世界有数の美しい環境に恵まれ、最高級のワインを産出しています。島そのものがロンリー・プラネットの世界の旅2016年ランキングでトップ10に入る名所であり、小規模ワイナリー、ブドウ園の数はおよそ27程度ですが、ニュージーランドでも特に優れた賞を獲得しています。温暖で湿度が低い局地的な気候を生かして、あらゆる品種のブドウが凝縮された風味をもたらすよう栽培されています。
コンパクトながら魅力の詰まった宝石のような島は、日帰りのレジャーにも週末の小旅行にもぴったりです。ワイナリーめぐりのツアーに参加するか、自転車をレンタルして自分のペースでワイナリーを訪れるとよいでしょう。多数のワイナリーがカフェやレストラン、セラードアを併設しています。作り手に直接会って、それぞれのワインにまつわる秘話を聞きながら味わうチャンスもあります。数あるワイナリーの中でも、プロヴァンスを彷彿とさせるマッドブリック(opens in new window)は遮るもののないランギトト島とワイテマタ湾、オークランド市街地の遠景が見渡せます。
オリーブの木立に囲まれたストーニーリッジ(opens in new window)は最高級のカベルネ・ブレンドにこだわったワイナリーで、南仏と肩を並べるニュージーランドならではのワインを醸造しています。ポデリ・クレッシーの美しい田園風景の中の受賞レストランに席をとると、イタリアを訪れたような気分が楽しめます。マノウォーは、フェリーターミナルと反対側に位置するため遠い道のりになりますが、のどかな雰囲気と素晴らしいワインは足を運ぶ価値のあるものです。島の中央部ではシラーで多数の賞を獲得しているパッセージ・ロックは見逃せません。
オークランド最古のワインの産地クメウは1930年代に移住してきたクロアチア人開祖です。
温暖な沿岸気候はブドウの栽培に理想的で、世界の舞台でも名の知られたワインが造られています。幅広い品種がありますが、筆頭はシャルドネとメルローです。ニュージーランドでも特に歴史の古いものを含め、代表的なワイナリーとしてはクメウ・リバー・ワインズ、ソルジャンズ・エステート、マトゥア、バビッチ・ワインズ、ノビロなどが有名です。
中心街から北へ1時間ほどのマタカナには、緑豊かな丘陵地を利用したワイナリーがたくさんあります。苗木は比較的若い傾向にありますが、スタイリッシュなピノ・グリやシラー、ボルドー風の赤が人気です。
ワイナリー併設のレストランでグルメなランチタイムを過ごし、湿度のある気候を克服して質感に優れたワインを実現するまでの話を醸造家から聞いてみてください。アセンション・ワイン・エステート(opens in new window)はまるでイタリアのトスカーナ地方そのものです。アートとワインの世界を融合させたブティックワイナリー、ブリック・ベイ(opens in new window)の庭に出ると、在来種の緑の中を歩きながら屋外に展示されている彫刻作品を鑑賞することができます。この地域では他にも、マフランギ・リバー・ワイナリー、ヘロンズ・フライト・ヴィンヤード、ランナー・ダック、オマハ・ベイ・ヴィンヤード、ランサムズといったワイナリーも人気があります。ワイナリー巡りを満喫するなら、ツアーに参加するのがおすすめです。