流れの早い小川沿いを通り、山々や森林を抜ける80kmの素晴らしいルートです。難易度の高いコースなので上級者向けです。
ネルソン・レイクス国立公園の中心部を目指してトラバーズ・サビーン・サーキットを歩いてみましょう。2 日として同じような壮大な山や峠、清い小川を目にすることはありません。近くで行われているロトイティ・ネイチャー・リカバリー・プロジェクトではコマドリ、 ベルバード (ニュージーランドミツスイ)、ファンテイルのような鳥類をよく目にします。小さなライフルマン(ミドリイワサザイ)はその姿を見る前に鳴き声を耳にするでしょう。
1日目 カール・ベイ > レイクヘッド・ハット、またはウエスト・ベイ > コールドウォーター・ハット、3時間
カール・ベイ発とウエスト・ベイ発の2つのルートがあります。カール・ベイ発のルートは、ロトイティ湖東端からスタートし、森の中を歩きながら、いくつかの小さな小川や砂利の斜面を越えていきます。途中には小さなビーチが点在しており、山の景色を眺めながらピクニックができます。ロトイティ湖の先端までやってくると、トラバーズ渓谷の草の茂る平地が目の前に現れます。レイクヘッド・ハットは桟橋から 15 分です。
ウエスト・ベイ発のルートは、マウント・ロバート・ロードを歩き、レイクサイド・トラックへ向かいます。このトラックではマヌカやカヌカなど固有種の木々が茂る深い森を通り、湖岸まで下っていきます。湖岸に沿って歩いていくと、水際に立つコールドウォーター・ハットに到着します。
2日目 レイクヘッド・ハット/ コールドウォーター・ハット > ジョン・テイト・ハット、4 時間 30 分
レイクヘッドまたはコールドウォーターのハットからトラバーズ・リバー・フラットを目指し、森の中や開けた草地を通っていきます。簡単に歩けるところを1時間半ほど行くと吊り橋に出ます。トラックはそのままトラバーズ川の西岸に沿って続いていきます。すぐに谷は狭くなり、森林に覆われた段丘や川岸の平らな草地を行ったり来たりするようになります。トラックがホープレス・クリークに近づくにつれ、トラバーズ山が垣間見えます。そこから間もなく、ジョン・テイト・ハットに到着します。
3日目 ジョン・テイト・ハット > アッパー・トラバーズ・ハット、3 時間
朝には、川と峡谷を下にして、急な登りからスタートします。いくつかがれきの斜面を越え、短い橋を渡るとトラバーズ川へ出ます。ここから森林の木々は目に見えて低くなっていきます。再び急な上りになりますが、ぼんやりと山々の景色が見えてきます。トラックが水平になってくると、木々の間から広々とした草原が現れ、アッパー・トラバーズ・ハットがトラバーズ山の麓に立っているのが目に入るでしょう。
4日目 アッパー・トラバーズ・ハット > ウエスト・サビーン・ハット、6-9 時間(天候による)
トラバーズ・サドルは、冬場はもちろん春にかけても、ピッケルやアイゼンを必要とする峠越えです。天候の急変に備え、万全な準備をしておきましょう。サドル(稜線が最も低くくぼんだ鞍部)を挟んだサビーン川側の山腹では特に、雪崩が起こることがあるので注意が必要です。アッパー・トラバーズ・ハットの近く、ザビーン川側の森林限界まではルートを示すスノーポールが立っています。
ハットのそばを流れるトラバーズ川を渡り、スノーポールを目印に伝いながら低木の茂る中へと入っていきます。トラックはそこから急になり、がれきの斜面をジグザグと上っていくようになります。そこからサドルまで斜面が少しゆるやかになってくると、上からパノラマの風景を見渡せます。ハットからサドルまでは 1 時間30分ほどかかります。
そこからトラックは急な下りになり、草原地帯やがれきの斜面を横切り、ちょっとの間、ブナの森に入っていきます。森を出ると、急な峡谷が姿を現します。峡谷の谷底へとジグザグに下りていき、そこからまたトラックが続き、歩行も簡単になります。
5日目 ウエスト・サビーン・ハット > サビーン・ハット、5時間
この日のスタートでは、まず吊り橋を渡ります。トラックは川の上を斜めに進んでいき、長く広い平地部分を3つ横切ります。
川を離れ、谷間の低いところで峡谷へと入っていきます。急な斜面を上り、再び下ります。また深さのある川に出たら、狭い裂け目にかかる橋を渡ります。サビーン・ハットまでは簡単なウォーキングです。ハットからはロトロア湖の景色が広がります。ザビーン・ハットから、出発地に戻るには3つのルートがあります。一番簡単なのは、スピアグラス・ハットを経由するスピアグラス・バレーを通るルートです。一番難しいのは、ロトロア湖をいくルートです。もうひとつは、ロトロア湖でウォータータクシーを手配する方法です。
6日目 サビーン・ハット > スピアグラス・ハット経由 > マウント・ロバートの駐車場、8時間
1日の始まりは湖畔からスタートし、小さな渓谷をいくつか斜めに入ったり出たり、湿地帯を通り抜けたりします。ここでは他の樹木とは異なる、円錐形をしたカイカワカ(ニュージーランド産の杉)に気づくでしょう。暗い色をした枝葉と幹がよじれたものがあるのが特徴です。
5時間ほど歩行するとスピアグラス・サドルに到着します。そこから開けた草地まで下りていくとスピアグラス・ハットがあります。橋を渡り、森の中へ入ってから段々と高度が上がるトラックを進んでいくと、ロトイティ湖を見渡せる眺めのよい駐車場に着きます。
トレッキング中
環境保全省(DOC )運営のハットは、トラックに沿って点在しています。ハットの予約は ネルソン・レイクス・ビジター・センター(opens in new window)へ連絡してください。
トレッキング前後
セント・アーナウドは出発点と終点に近く、いくつもの宿泊オプションがあります。 宿泊のオプションはこちらをご覧ください。もしくは、1時間30分の移動で、ネルソンやブレナムにも宿泊できます。
トレッキング専門のツアー会社がガイド付きのトレッキングを催行しています。このような上級者用コースでも、ガイドがいれば安全についてもアドバイスしてくれます。専門に催行している サザン・ワイルダネス(opens in new window)へ連絡してみましょう。