伝説に語り継がれるテ・マタ・ピークを車か自転車かハイキングで上っていくと、全方角に壮大な景色が広がります。
テ・マタ・ピークはワインの産地ヘレタウンガ平野の西端に位置する標高400mの丘です。頂上に立つと、ルアヒネ山脈、カウェカ山脈、マウンガハルル山脈とキッドナッパーズ岬のパノラマ風景を見渡せます。見晴らしのよい日なら、トンガリロ国立公園の中心にあるルアペフ山を望むことができます。
テ・マタ・ピークの自然遊歩道はハイキングやマウンテンバイクにぴったりです。上り坂はとても良い運動になります。疲れを感じても、絶景を見渡せば、がんばってよかったと思えるはずです。テ・マタ・トラスト・パークの森林や石灰質の谷の中には、多数のトレイルが張り巡らされています。
テ・マタの丘陵地には古い伝説が残っています。何世紀も前のこと、ヘレタウンガ平野の村パに住む人々は、海沿いのワイマラマ族の攻撃を度々受けていました。ある時パキパキ(現在のヘイスティングス郊外)の周回で長老のクイアが対策としてある提案をしました。それは、ワイマラマ族のリーダーである巨人、テ・マタを、パキパキの首長の娘ヒネラカウと恋仲にさせて、戦争より平和を望むように仕向けよう、というものでした。この試みはほどなく成功し、美しいヒネラカウのもとにテ・マタは屈しました。
ところがヘレタウンガの人々は過去を忘れることができず、復讐の機会を狙っていました。彼らはヒネラカウを通じて、愛の証としてテ・マタに無理難題を次から次へと持ち掛けました。そして、テ・マタは、人々が自由に往来できるよう、平野と海岸を隔てる丘をかじって穴を開けることを求められました。
その途中、テ・マタはついに力尽きてしまいました。半分ほどかじられた場所はザ・ギャップ、あるいはパキ・カランガランガ(こだまする谷という意味)と呼ばれる地形になり、彼の亡き骸がテ・マタ・ピークとなった、ということです。