牧草地と鬱蒼とした原生林をトレッキングやマウンテンバイクで楽しみましょう。マールボロ・サウンドのパノラマ風景や、歴史あるニディア・ベイでの一夜を満喫してください。
ニディア・トラックは、トレッキングやマウンテンバイクの愛好家にとっては最高のフィールドです。徒歩では所要2日間、マウンテンバイクでは片道5~8時間、美しいニディア・ベイでの滞在が楽しめます。 トラック内には、鬱蒼とした沿岸の森林地帯に原産木のリム、ニカウヤシやブナの木々を見ることができます。山の峰の間の鞍部からは素晴らしい風景を楽しむことができます。深い原生林の中では、ベルバード(ニュージーランドミツスイ)やトゥイ(エリマキミツスイ)の歌声、ケレル(ニュージーランドバト)が飛び立つ際に立てるバサバサという羽音があちらこちらから聞こえてくることでしょう。
その他にも、ファンテイル(ハイイロオウギビタキ)、ロビン(コマドリの一種)、トムティット(ニュージーランドヒタキ)たちが白い小さな花をつけるマヌカやカヌカの木々の間を飛び回る姿や、飛べない鳥ウェカ(コバネクイナ)が森の中を動き回る場面に遭遇するでしょう。海沿いでは、見事な技で魚を捕まえるシャグ(鵜)やカツオドリの姿、サギなどの渉禽類がえさを求めて浜辺を歩いている姿が目に入ります。 長年の間、マールボロ・サウンドは、マオリの人々にとって食料供給と安住の地として最適の場所でした。ニディア・ベイには「パ」と呼ばれるマオリの要塞があり、マオリは「オポウリ」(悲哀の地)と呼んでいました。1870年代にはヨーロッパ人たちがニディア・ベイ周辺で原生林の伐採を始め、これは1920年頃まで続きました。伐採された木を運ぶために波止場が設けられ、そして移住者たちの数も急激に増えましたが、今となっては、その繁栄期の面影はほとんど残っていません。 トラック内に設けられたニディア・ロッジは、最小4名から最大50名までが収容できる宿泊施設です。宿泊の予約や詳細については、ピクトンにあるDOC(環境保全省)の事務所へ問い合わせてください。ピクトンのDOCはニディア・ベイにある登録制のキャンプ場とテニソン・インレット(Tennyson Inlet)の2ヶ所のキャンプ場も管理しています。 最も簡単なトラックの歩き方は、ハブロックから海上タクシーを利用してカイウマ・ベイ(Kaiuma Bay)の先端まで渡り、テニソン・インレットの北端まで歩いた後にシャトルバスで戻る方法です。また、複数日のトレッキングをする場合は、ニディア・ベイの宿泊場所まで荷物を別途運搬するサービスを利用することも可能です。 ニディア・トラックを歩くには、ある程度の体力が必要とされます。橋が架かっていない川を横切る場所も数ヶ所あり、トレッキングブーツは必需品です。特に、雨の後に増水した川を渡る際には細心の注意が必要です。