短い遊歩道を歩いてマセソン湖を訪れれば、頂上に雪を冠したマウント・クックが穏やかな湖水に姿を映し出す様子を写真に収めることができるでしょう。
フォックス氷河近くに位置するマセソン湖は、ニュージーランドの最高峰マウント・クック(アオラキ)とマウント・タスマンの美しい姿を見事に湖面に映し出します。 周囲の原生林の林床から染み出す有機成分が溶け込んだマセソン湖の濃い茶色の湖水は、穏やかな風のない天候に恵まれた日には、周囲の風景を映すには最適の色合いとなります。また、偶然にも、山々は湖の東側、つまり反射に最適な方向に位置しています。 マセソン湖を訪れる遊歩道は駐車場から出発、数分歩くとクリアウォーター川に架けられたつり橋へとやってきます。マセソン湖から流れ出すこの川の水は、つり橋の下では湖水と同じ茶色ですが、すぐ下流ではクリアウォーター川の名のとおり透き通った透明になります。遊歩道はリムやカヒカテアの木々が茂る古代からの原生林を抜け、湖に設けられた浮橋へと続きます。 マセソン湖の暗い湖水には固有のウナギが繁殖し、数多くの水鳥たちが暮らしています。このため、かつてマオリの人々はこの湖を伝統的にマヒンガ・カイ(食べ物を採取する場所)にしていました。 マセソン湖は、今から1万4千年前、海岸際まで伸びていたフォックス氷河が大幅に後退した際に残されたくぼみに、水がたまり形成されたものです。 駐車場からマセソン湖浮橋を訪れる遊歩道は約40分、マセソン湖を一周すると約1時間30分の行程です。